音楽初心者の人が作曲できるようになるにはどうしたらいいか?
「音楽について全然わからない」という人が作曲できるようになるためにはどうしたらいいか。自分の経験からいくつか提案してみたいと思います。
目次
なにはなくとも楽器を用意する
いきなりですけれども、楽器をろくに触ったこともないまま、頭の中で音楽が出来る人はいません。そのため、まずは楽器を用意することから始めます。音楽がわかるから楽器を買うんじゃなくて、楽器を触っていくことで音楽がわかるようになるのです。
今の時代に買うならばMIDIキーボードとDAW
楽器の中でも視覚的にわかりやすく、音の狂わないキーボード(鍵盤)系統がおすすめです。僕もエレクトーンやピアノから入りました。いずれ自分の音楽を世に出したい!と思うならば、MIDIキーボードとDAW(音楽制作ソフト)を買いましょう。ギターは音楽の勉強のためにはあまり向いていると思いません。半音や全音、オクターブなど、音楽理論の説明に使われるのはキーボードを模倣した図が多いです。
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MIDIキーボード+DAWという「楽器」が音を教えてくれる
DAWはプロのためだけの道具ではありません。このソフトは
・MIDI機器を繋いで演奏する
・演奏を録音、修正する
・録音したものを重ねて、ひとつの楽曲にする
こんなことができます。
また、MIDIから入力された音が何の音か教えてくれるという、初心者にはとても助かる機能がついているものもあります。アナログなピアノにはまずない機能です。
つまり、自分が何か和音を弾いて「これ好きな音だなあ」と思った時に、「それはこういう名前のコードですよ」と教えてくれたりします。自分が正しいコードを弾いているかの確認にも使えます。※コードについては後述
DAWはMIDIキーボードとセットで使わないとダメ
DAWにはバーチャルキーボードやピアノロールがついているので、MIDIキーボードがなくても作曲ができないことはありません。しかし有ると無いでは制作能率が全く違います。MIDIキーボードは鍵盤が弾けない人こそ最初に買って慣れるべき代物です。
想像してみてください。パソコンにキーボードがなくて、画面のバーチャルキーボードをマウスでクリックしながらブログが書けますか?
MIDIキーボードは少なくとも49鍵以上のものを
キーボードがどうして素晴らしいか?というと、伴奏とメロディを両手で同時に奏でることができるからです。左手で伴奏、右手がメロディになります。初心者は「そんなに簡単に両手で弾けないよ」と思うでしょう。安心してください、伴奏を作る上で押さえる場所とパターンは大体決まっています。それに合うメロディの音を探す時に、右手で鍵盤を押して耳で確認しながら作っていくことができるのです。いい感じの音が鳴ったらその押した状態をDAWに保存します。もしVOCALOIDに歌わせたいと思ったら、その右手の部分だけ切り取ってVOCALOIDに移してやるのです。そうすれば、伴奏とメロディが出来上がります。
既に出来ている作品から改良する
DAWの利用を前提にすれば、楽典などを買って五線譜の読み方などまで遡って勉強する必要はありません。オタマジャクシの位置と鍵盤の位置や音を一致させるための勉強時間をすっ飛ばすことが出来ます。
誰もがまず「自分の好きな系統の音楽」を作りたいと思うことでしょう。好きな曲をコピーして、いきなり改良することからはじめるといいと思います。
楽譜やコード一覧サイトから好きなコード展開を拝借する
コードとは?
コード(Chord)とは、曲の中で伴奏がその時に何の音を使っているかを文字で示したものです。C、Dm、GM7とかそんな感じで表します。伴奏の構成音が変わる毎にコードが変わります。で、ジャズやポップスの楽譜には大体コードも書いてあるのですね。
重要な事は、コード展開には著作権がありません。これを規制してしまうと現代のポピュラー音楽は作れなくなってしまうからです。そのため、著作権を有する曲からコードを引用することは問題ありません。詞については著作権が関係しますので無断で利用することは出来ません。
好きな楽曲のコードを入手する
楽器.meというサイトは初心者には最高のネタ元です。
それぞれの曲がどういうコード展開をしているかと、それぞれのコードをキーボードでどう弾いたらいいかを教えてくれます。
まずは好きな曲を探してコードを実際に弾きながら歌いましょう。大体ハズレのない音がするはずですが、元の音楽と細かい違いは当然あります。それは、コードとは上記で言ったとおり「料理の作り方の基本をざっくり示したようなもの」だからです。
実際にそこからアレンジを施して、楽曲になっています。そのアレンジをパートごとに詳細に記したのが五線譜(楽譜)なのです。
気に入ったコード展開を元に、オリジナルにする
DAWにコードを入力していく
コードを弾いたらDAWでそれを記録します。DAWにはステップ入力という入力方法があって、リアルタイムに演奏しなくても一段階ずつ音を入れていくことが出来るものがあります。お使いのDAWでステップ入力が使えれば使うと良いでしょう。リアルタイム入力にしか対応していなくても、後からピアノロールで編集すれば大丈夫です。
そうやって、コードだけが再生される状態をまず作っていきます。
メロディを付ける
メロディをつけるには少し勉強が必要になります。ここからが本格的な音楽の勉強です。メロディに使える音というのは、キーボード上のどの音でも良いわけではないからです。
音楽には「スケール」と言って、1オクターブの間でどの音が使えるかを決めたルールがあります。鍵盤の1オクターブの中には全部で12の音がありますが、大抵の場合はその中の7音しか使わないのです。
また、そのスケールがどの音から始まるのかを示したものが「キー」です。
例えばキーボード上の音はドレミファソラシド、というのがあるのは皆さんご存知だと思いますが、それはCというキーからはじまった場合で、Dの場合はレミファソラシドレ、とずれるわけです。(かなり大雑把な説明)
このキーとスケールによって、使える音を見分けることが最初の課題です。この辺はわかってる人に直接レッスンを受けたほうが絶対早いので、教えを請いましょう。
この「コード展開からキーとスケールを読み取る」ということが、初心者の最初の壁だと思います。これによって、不協和音(スケール外の音)と区別することができ、メロディを作ることが出来るようになります。作曲者に限らず、歌い手さんもこのキーとスケールの概念さえわかればアドリブなどを少しずつ行えるようになります。
まとめ:まずは環境の準備、次に模倣
今回は「既存のものを分析して徐々に周辺知識を広めていく」という方法を提案してみましたがいかがでしょうか。少し道筋が立ったような気がしませんか?
音楽を理論を固めてからオリジナル曲を開拓しようとし始める人を見かけますが、僕だったら多分挫折してしまいます。理論は音楽ができた後に体系化されたもので、あくまでも創造の補助です。実際の音と一緒に理論をやっていかないとなかなか身につきません。とにかくまずは音を出せる環境が第一です♪
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