YouTubeで再生数10万を超える音楽を作るには?
前回の続きになります。YouTubeで聞いてもらえる、著作権的にも全く問題なく再生数を稼げる音楽とはどのような音楽になるのでしょうか?
目次
BGMこそ求められている
YouTubeで音楽を聞こうとするときに、どのような聞かれ方をするかを考えてみましょう。
今の時代、音楽はどこにでもありふれているもので、音楽フリークでなければじっくり音楽だけに集中している時間というのはあまりないのではないでしょうか。
例えば聞き流すのにちょうどいい作業用BGMのようなものは、有名アーティストの曲でなくともかなりの再生数を稼いでいることがわかります。逆に、めちゃめちゃアーティスティックなガチ曲がそんなに再生されていないことも多いのです。
こちらの動画などはわかりやすいでしょう。誰も知らないアーティスト、どこにでもありそうなコード展開のピアノソロ。でも再生数は執筆時現在60万を超えています。
著作権的にもクリアしていれば広告収入が見込めます。
BGMはインストが良い
BGMとしての楽曲で再生数を稼ぐのであれば、インスト(インストゥルメンタル。歌なし)の楽曲の方が良いでしょう。これにはいくつかの理由があります。
言語情報は思考や会話の邪魔をする
言語情報が入った音楽は、BGMとして用いる場合には思考の邪魔になります。BGMの場合は他の音声情報も聞き取る必要がある場合もありますので、楽器音だけの方が良いでしょう。
インストに国境はない
BGMをインストで作る場合、その楽曲には国境がありません。どこの国の人が聞いても「良いな」と思えればすっとお気に入りにしてもらえます。日本語の楽曲は日本語のわかる極一部の人にしか伝わりませんし、詞の内容を考える時間もかかります。英語で詞を書くならば、まず英語の勉強を始める必要があります。
メッセージ性がないのが強み
言語情報がないということは、音の響きのみで受け手が自由に受け取れるということでもあります。「これはこういう歌です」という強要をしないのです。聞き手が持つ楽曲イメージを歌詞によって固定しません。より自由に聞いてもらえる音楽がインストなのです。
つまりこれらのことから、YouTubeなどでBGMとして再生数が稼げるのはインストである、というのが私の持論です。
どのようなジャンルのインスト音楽がウケているのか?
YouTubeでインストのBGM動画を作曲する場合は、どのようなジャンルで制作するかがポイントになります。これについては作曲、演奏をする人の好みで考えて良いと思いますが、よく出来ているBGM動画にはセオリーがあります。お手本になりそうな動画を一緒にご紹介します。
テーマを明確にする
どういうシチュエーションで聞いて欲しい楽曲セットなのかを明確にすることが大切です。例えば「リラックスタイム用BGM」を作るとしたら、リスナーは当然ヘヴィなギターサウンドの楽曲が入っているとは思わないはずです。つまり「似たり寄ったりな楽曲の詰め合わせ」になることが期待されていると言えるかもしれません。これは創り手にとってはあまり面白くないのですが、そういうものが求められていると思って大量生産しましょう。そして、60分以上の動画にまとめたら出来上がりです。
睡眠用BGMなどはループが良い
私は睡眠用にBGMをかけることがありますが、睡眠用のBGMでは寝るまで単調な音がずーっと続いていて欲しいものです。そういった類の音楽では、あまり展開がつかないほうが良いですから簡単なループサウンドを2~3時間鳴らすのが良いのではないでしょうか。
曲名は要らないけど説明は必須
動画のタイトルは「カフェ・ミュージック」とか「睡眠不足、不眠症を解消!」などといった形で、説明的につけることが何よりも大切です。これがあなたのBGM動画をクリックする唯一にしてすべての情報なのですから。
例)
- 今すぐ走りたくなるランニング向けBGM30分
- 脳の働きを助けるシンプル作業用BGM
- SF・サイバーな雰囲気の戦闘用BGM
といったような感じで、とにかくクリックしてもらうことを念頭に置いた動画ネーミングが必須です。言ってしまえば音楽の質よりも大切です。
動画用音楽作成のポイント
BGM動画は打ち込みと録音(生音)の活躍する分野がそれぞれにあります。ポイントとしては打ち込みは生の音楽と同じフィールドにならないように注意したほうが良いでしょう。生を打ち込みで再現するのは無理がありますし、コストが掛かり過ぎます。
打ち込み音楽が向いているもの
ダンスミュージック:EDMは世界的に人気があり、打ち込み+インストの本領を発揮できます。ワブルベースを始め、シンセの音を作ることが必須になります。Native Instruments社のMassiveなどを使えば、プリセットでもかなりそれっぽさを出すことが出来ます。
睡眠用動画:もわもわーっとした雰囲気の音楽などはソフトシンセの得意とする所。これを生の楽器でやろうとしたらとても難しいでしょう。
生の楽器録音が向いているもの
カフェ系BGM:アコースティックギターなど のサウンドは生の質感こそが生命線です。打ち込みのギターは労力の割に偽物感が出やすいので本物を使いましょう。ギターはエントリーモデルでも十分です。
バンドサウンド:これも特にギターなどの弦楽器が偽物感の原因。ギターは弾きましょう。ドラムはEz Drummerなどの良い音源を使えば、打ち込みで十分。素人には本物との違いがわかりませんし、プロでも打ち込みのドラムをよく使うそうですよ。
得意な音楽ジャンルでBGMを作ってみよう!
いかがでしたでしょうか。無難に聞けるBGMを作ることが出来るということは、劇伴、ゲームBGMなどが作れる能力もあるということ。音楽の仕事にも繋がるかもしれませんね。音楽を仕事にしたい人は、まずはこういったところからスタートしてみるのはいかがでしょうか。
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