「サックスとして使えるの?」DTMで使ってみたいEWI USBとその音源について
EWI USBという入力インターフェースを最近よく使っています。DTMerの皆さんももしかしたら興味が有るかもしれないので記事にしてみようと思いました。
目次
EWIを知ったきっかけ
EWI(イウィ、イーウィ)という楽器を日本で一躍有名にしたのはおそらくT-SQUAREではないでしょうか。
日本でF1グランプリのテーマソングとして使われたこのTRUTHという曲は、地上波でF1を見ていた人は一度は聞いたことがあると思います。
僕も幼少期にこの楽器を見てすごい憧れを持ちました。そして、割と最近になってDTMに有用であることを知り、音源内蔵ではないヴァージョンのEWI USBを買いました。
なぜUSB版にしたかというと、単に割と安かったからです・・・
EWI USBとは
EWIはAkai Professionalが開発したウインド・シンセサイザーです。Electronic Wind Instrumentの略で、「電子吹奏楽器」であることを表しています。
演奏方法
ドライバをインストールして、USBでコンピュータと接続します。MacはOSX以上、WindowsはXP~8.1をサポートしています。スタンドアロンの音源、Aria Playerが付属しているので、DAWがなくとも音を出すことが出来ます。もちろん、DAWでAU/ VST / RTAS プラグインとして利用できます。
縦笛の要領で息を吹き込んで演奏します。運指などは何パターンか選べるようになっています。サックスに寄せたものからオーボエの運指、トランペットのEVI方式、フルートといった横笛に近いものまで、好みによって設定を切り替えて使うことが出来ます。「リコーダーしかやったことがないよ」という人は、初期設定のままで大丈夫です。Cメジャースケールはすぐに吹くことが出来るでしょう。
演奏の難易度と表現力
サックスが安定した音を出すためにアンブシュア(口の形、加え方や強さ)をかなり練習する必要があるのに対して、咥えて息を吹き込むだけで真っ直ぐな音が出ます。
音源を内蔵した上位機種のEWIとEWI USBで違ってくる大きな違いは
・オクターブキーが少ない
・ポルタメントスイッチがない
くらいではないでしょうか。オクターブはともかく、ポルタメントはEWI USBにもついていて欲しかったですね。
EWIのDTMとの相性
結論からすると、管楽器打ち込みの代替として使うととても楽しく、生っぽさを出すことが出来ます。もちろん、EWIはシンセなので、リードシンセとして使うのも面白いです。
DTMにおける弦、管楽器の表現が大変なワケ
DTMをある程度やってきた人で、鍵盤などもある程度できる、ギターも出来る。そんな人が次に抱える作曲上の問題は「管楽器の表現」ではないでしょうか。
管楽器の音色の強弱にはエクスプレッションを使い、音程の変化にはピッチベンドを用いますが、これを生っぽいニュアンスで打ち込むのはかなり骨の折れる作業です。
まずは、息を吸って吐いて吹き終える、という、人間が自然と行う動作を分析し、それに合わせたエクスプレッションを描くことが出来ないと、非常に「デジタル感、MIDI感」が出てしまいます。そしてその後、楽器ごとの特色をつけていくのです。うわあ大変!
音源も大切です。僕はDTMに慣れるまでは基本的にDAW(Logic Pro)の付属音源を使っていましたが、これで満足した音を作ることが出来なかったため、ピアノとベース主体のジャズ系をやっていた、というのが実のところだったりしました。
つまり、「作曲能力はあるけど、これは外に出せる音じゃない」というのは、結構リアルに突き刺さってくるDTMの壁なんですよね。
例えば、ピアノは結構どんなDAW付属音源でも結構ピアノなのですが、他の楽器がいまいちなため打ち込み臭さが出てしまうとか、ないでしょうか?
弦楽器、管楽器についてはDTMは特にそれが強くある部分だと僕は思っていて、ここにお金をかけることでリッチなサウンドになることは間違いありません。
それでも、Logic Proの付属楽器は良いセットだったと思います。ひと通りの楽器が揃っています。
EWI USBは「MIDI入力装置」音源が別に必要です
まず、EWI USBが真価を発揮するためには「ウインドシンセに対応した音源」が必要です。付属のAria Playerで演奏の基本を練習したら、きっと「もっといい音源が欲しいなあ」と思うことでしょう。
付属音源のイチオシ
AriaのEWI用音源で優れているのはViolin(TH)です。美しいビブラートと伸びやかな高音がいとも簡単に紡ぎ出せます。ただ、キレは少し足りないかなと思うのでロングトーン向けだと思います。
管楽器はSample Modeling社のシリーズでキマリ!
Ariaにも管楽器の音源は付属していますが、やはりちょっと物足りないというか、ニセモノ感がありますね。また、音色的にはあたたかめで、どちらかというとクラシックとかに向いている感じです。
ジャズやポップスでパッパー!とやりたかったので、SampleModeling社の音源を最近導入してみました。
この曲で使ったのはアルト・サックスですが、少なくとも音楽にあまり詳しくない人には「サックスです」で通せるのではないでしょうか。
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こちらのようなバンドルを導入すれば、トランペット、トロンボーン、サックス4種と、ポップスやジャズ系に必要なホーン・セクションをEWI一本で演奏できます。
まとめ:入力インターフェースとして便利
実は本物のサックスも以前試奏しに行ってきたんです。今は8万円くらいの中国製モデルとかでも結構いい音がしてびっくりしました。ただ、やはりどうしてもスタジオを借りるか、家では防音設備を整えないととても吹けません。また、DTM用途ですとピアノロール上で後から微妙な直しができるEWI入力のほうが断然使いやすいんです。適当にフレーズをパパーッと吹いて、ミスの修正や自分の技量では表現できないところだけ書き込んでいくことでスピーディにレコーディングを完了させることが出来ます。
EWI USBは一時販売終了しましたが最近再販され始めました!一本いかがでしょうか。楽器としても上達の楽しみがありますよ!
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