Miyabi Lucas

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英語曲「The Maddening Distance」はどのようにして出来たのか?

   

tmdちょっと今更ではありますが、僕とKenさんがどうやって楽曲「The Maddening Distance」を作ったのかについて経緯を書いておきたいと思います。

 

「とりあえず英語曲を作ってみたかった」

実は最初にユーロビートっぽいのを作っていました。歌詞を考える段階で英詞を考えましたが上手にできず、日本語詞にするのもダサいのでKenさん(@durbrow)に「英詞の作り方で参考になるサイトとか教えてください」という感じでアドバイスを求めてたんですね。

最初はそれで適当に作ろうと思ったんだけど、いやあ、そう簡単にできるもんじゃないw 「これネイティブの人が聞いたら・・・」とか考えると、作る気が失せてきちゃった。

「ああもうワシはこの程度なんじゃ。音楽なんてやめてゲームしよ」と、TESV Skyrimを廃プレイしていたところ、ある日ナベちさん(@nabecchi1)が「最近Twitterで見かけませんけど大丈夫ですか?」的な感じでコンタクトを取ってくれて目が覚めました。

そして「英語曲出来ないんすよウジウジ」と一通り悩みを相談して、「そうだ!Kenさんに書いてもらおう」という一か八かの賭けに出たわけです。

お互いに初めての挑戦

Kenさんには「進捗どう?なんか手伝えることあったら言ってね!」と言われていたので「Kenさん歌詞書いてみませんか?」というアプローチをしました。これで断られたらやめようと。しかし、僕は「この人は必ず興味がある」と思っていたので結構強気に誘いました。だってKenさんルカ廃だもん。

しかし「やったことないし音楽理論もわからないよ?」という彼の不安は凄くよくわかるので「とにかくステップバイステップで小さくやっていきましょう」ということでスタートしていきました。「これが出来たらすごいことでっせ!」なんて感じで、とにかく未来に繋がるような励ましも続けました。それが出来たのも、曲が出来るイメージがなんとなくあったからですね。

Kenさんに伝えた具体的なオーダーとは?

「音楽はよく聞くけど作詞なんてやったことないよ!」という人に、一体僕は何を伝えたのでしょうか。

楽曲の構成についての擦り合わせ

まずは、J-POPと洋楽の用語の擦り合わせについてをしなければなりませんでした。

英語に置き換えた楽曲用語

  • Aメロ = Verse
  • Bメロ = Bridge
  • サビ   = Chorus
  • (曲の)1番   = 1st stanza

説明は上記の用語で進めました。正式かどうかはちょっと自信がありませんが、そんなこたあどうだってよくて、とにかく共通言語、共通の認識を作らなければなりませんでした。お互いがわかればいいんです。

ちなみに音楽をこれからやる人で「正しい音楽知識が身についてないから始められない」という人がいるかもしれませんが、そんなこと言ってたらいつまで経っても一曲も出来ません。走りながら学ぶ姿勢や、今の自分の段階で出来る事をやり遂げることが大事です。

まずは1番だけ書いてもらう

おそらく作詞の負担を減らしたいと思ったので詞先で作りました。「まずは1番だけ作ってください」という形でお願いしました。これは英語でも日本語でも同じで、作詞は作詩と違うからです。

J-POPが非常に「形式的な音楽」であることはみなさんもよくご存知だと思います。A-B-サビ-間奏A-B-サビ~みたいに構成が説明できるでしょう。1番、2番があって、その中にはAやB、サビと言われるパートがあります。

僕はこれの説明の例として、Bon Jovi の Livin’ On A Prayerを例に出しました。有名な曲ですし、J-POPの構成とかなり近かったので。

これの歌詞を文字に起こして、「ここがVerseだよ、ここがBridgeだよ」というレクチャーから始めました。

それで、とりあえず1番を書いてみてもらいました。1番だけ出来たところで見せてもらって、僕が「ここからここまでがVerse、こっからBridge、ここからChorus」という風に注釈をしました。その後、簡単なピアノのメロディと歌をつけて、小さな完成を共に喜びました。

1番が出来る。これがすごい大事なんです!まずは、ここまで出来たことをお互いに喜ぶことです。なんといっても僕らは言語の壁を超えて一つの音楽を作ることが出来たのですから!

試作版はこんな感じだった

最初はバラードっぽい感じにしようかなって思ってました。

 

2番以降もシンプルに

初めての作曲ですから高望みはしません。「とにかくシンプルにやろう」という風に常に伝えて作りました。「2番は1番のリズムを変えないように書いてください」というお願いをしました。これによって僕の負担が減りますw

例えば1番と2番のAで、音の数(音韻)があまりにも違ってしまうと、リズムが崩れたり、歌う人が覚えにくかったりします。歌詞が最優先のフォークソングとかでは、そこまで音韻の意識がされていないと思いますが、今回はとりあえずある程度そこを意識するように考えてもらいました。

なので、基本的には繰り返して使えるフレーズはそのままに、いくつかの単語を入れ替えてもらう形で歌詞を作ってもらいました。

「とにかく完成させる」というのが大事ですので、Kenさんのオーダーを汲みながらも「完成が難しくなるようなことは次回以降にやろう。今回は完成して公開することを目指そう」というポリシーは一貫していました。

MMDはあくまでも「感謝の気持ち」

MMDでPVをつくりましたが、これはあくまでも「Kenさんが書いた歌詞をルカのモデルが歌ってくれたら嬉しいだろうな」くらいのノリで作りました。MMDに触れるのも初めてで動かすので手一杯なため、あまり完成度は高くありませんでしたが、個人的には満足です。

歌詞の和訳版と映像

歌の歌詞を和訳するといろいろな解釈ができます。本来それはリスナーの楽しみなのです。ただ、英語が全然わからない人のために僕なりのこの曲の解釈をしておきたいと思います。是非、Kenさんの歌詞にも目を向けて聞いて頂けたらと思います。

 

この苛立たしい距離 君から私への気持ち

こんなに近くにいるのに とても離れていて

この淵はとても狭い 私は一歩踏み出して渡ることが出来たけど

君との距離を縮める方法はわからない

 

私はこの歌を作ったの ボトル入りのメッセージみたいに

海に放った 私の愛が君に届くように

 

この苛立たしい距離

どうしても親しくなることは出来ない

こんなに近くにいるのに 私はまだ一人

 

歌は隔たりを超えるよ

この歌で私達の心が一つになり 気持ちを結ぶでしょう

この歌を「この苛立たしい距離」に捧ぐよ

この歌が 私の気持ちが君に届くように

 

君と私の心の この苛立たしい距離

こんなに近くにいるのに とても離れていて

この淵はとても狭い 私は一歩踏み出して渡ることが出来たけど

もうどうしたらいいかわからない

私を君の近くに連れてってよ

 

私はこの歌を作ったの ボトル入りのメッセージみたいに

荒ぶる海を超えて 君に愛が届くように

この腹立たしい距離

君がいなくておかしくなりそう

それを振り払って 君を抱きしめられたらいいのに

 

歌は隔たりを超えるよ

この歌で私達の心が一つになり 気持ちを結ぶでしょう

この歌を「この苛立たしい距離」に捧ぐよ

この歌が 私の気持ちが君に届くように

 

 

 - パクって始める作曲術, 雑記・活動記

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