neon制作の経緯から振り返るプロジェクト進行
2014年、11月下旬
そうだ!なんかこうハイテンポなジャズやろう!
と、The Maddening Distanceに引き続き、もう一度ジャズ系をやることを思い立ったわけです。そして曲は割とすぐにできました。しかし、歌詞が決まらない。これで出して大丈夫なのか・・・。
そこでナベちさん(@nabecchi1)に相談することに。
そんな感じでneonの制作がスタートしました。
目次
「やっぱりアダルティックな歌詞がいいですよねー!w」
neonってタイトルもいいですね(◜௰◝)
やっぱりアダルティックな歌詞がいいですよねー!w
(自主規制自主規制)じゃなければいけますよ~!w
・・・そして今の歌詞が出来たのです。
「めっちゃありあmす!!!!!!!」
僕がまだエフェクトの使い方とかがよくわかっていなかった頃、よんさん(@yooooooooooone)に色々エフェクトについて教わっていました。そこで、「せっかくなのでよんさんにお願いしようかな?」と思って、パラミックス(個々の楽器のデータを送ってバランス取ってもらうやつ)をお願いすることにしました。
・・・こうして2つ返事で承諾して頂き、よんさんにミックスをお願いすることが決まりました。
「作るからにはがんばります!(笑)」
歌う人も、ミックスをしてくれる人も決まった。めでたしめでたし。そう、音楽だけならね!
ニコニコ動画に投稿するとなると映像をつける必要がありますので、とりあえず一枚絵でもいいからオリジナルの映像にしたいなあという思いがありました。えーい、せっかくだから募集してやってみよう!
というわけで、piaproでイラストを担当してくれるメンバーを募集しました。既に立ち上がっているコラボに入るのも手でしたが、自分で切り盛りしたいのもあって自分でコラボを立ち上げました。
コラボを設立すると、そろあさん(@rennai_kaizoku)が加入してくれました。
piaproではコラボ加入の時に申請メッセージを書いてもらうのですが、意気込みが物凄かったのを覚えています。詳しくは忘れてしまいましたが・・・w
・・・こうして、そろあさんにイラストをお願いすることになりました。
プロジェクト進行で気をつけていたポイント
ネット上でこれくらいの規模のプロジェクトを進めるのは初めてでした。道中は色々と問題もありました。それでも僕には「終わらせられる」という確信がありました。
無理のない「最小の達成目標」を立てること
今回は「楽曲は出来ているので、イラストが一枚あれば成功」というところが最小の目標でした。最初からあまり高望みはしていなかったのです。僕は自分で音楽のミックスもある程度出来ますし、動画の編集もできます。歌についてはナベちさんと何度かやり取りしていたので要領は得ています。
つまり、人に任せることでどこまでトータルクォリティを上げられるか?ということが今回の挑戦でした。常に「キーパーソンがいなくなったらどうするか?」ということは念頭に置いていて、その場合はどうするかも考慮していました。
自分の役割に情熱や目標を持っている人と組むこと
この点では今回はとても素晴らしいメンバーでした。歯痛の治療をしながらもきっちりと自分の歌を届けてくれたナベちさん。毎日通勤中も自分のミックスを聞きながら何度も直し、丁寧に仕上げてくれたよんさん。積極的にイメージの案を出して動画制作にもアドバイスをくれたそろあさん。
これは僕の想像ですが「この企画の中で何か成長したい」と言う気持ちがそれぞれにあったのではないでしょうか。同じような方向を向いている人同士は一緒に進んでいくことが出来ますから。
「自分がリーダーである」という自覚を持って決断すること
ものを作る時にはどうしても時間がかかります。関わる人数が増えれば増えるほど時間は必要です。そもそもプロジェクトへの意気込みには人によって温度差があります。それぞれの人の割ける時間とエネルギーは有限です。
僕はおそらく要求が高いので、皆さんには苦労をかけました。ナベちさんには録り直し、よんさんにはミックスし直し、そろあさんにもイラストの修正を何度もお願いしました。もちろん、作品には完璧なものなんてないのですけれども、自分の中のクォリティ基準は出来る限り下げたくありませんでした。そして、メンバーの皆さんが一生懸命それに応えてくれて、作品が出来上がりました。
上記に上げたメンバーだけが参画してくれていたわけではありません。都合が合わなくなったりして脱退された方もいらっしゃいました。その方たちには僕としては申し訳ないことをしたと思いますが、それをしなければ動画の完成まで持って行くことは出来ませんでした。そこで恨まれてもいいという覚悟がリーダーには必要です。人と一緒に物を作るというのはそういうことです。その方たちもおそらくベストを尽くされたことだろうと思いますし、何か少しでも良い経験になったと信じています。
プロジェクト経験から学んだこと
そんな感じで準備はしていましたが、今回の経験で学んだこととしては色々とあります。
終わりのビジョンを早期に描く必要性
可能な限り自分のビジョンを語る必要があります。「こういう作品を作りたい」「これは自分には出来ないので力を借りたい」「いつ頃までに完成させたい」。可能な限りビジョンを共有し、考え方や求める能力が異なる人には早めに去ってもらいます。それはチームのためでもあり、お互いの有限なる時間を有効に使うためでもあります。
同じ目的、レベルの人達とチームを組む
それぞれの受け持つ分野は違えど、「この人とならいい物が作れそうだ!」という人を選ぶことはとても重要です。これは特に作業モチベーションを高く保てることを意味します。「この人の名前を汚す訳にはいかない!」という思いが、自分のアウトプットクォリティを自然と引き上げます。周りのレベルが低すぎるとやはりモチベーションは下がったり、「それなら自分で・・・」となってしまいます。
逆に周りのレベルが自分より高過ぎると気後れしてしまうのではないでしょうか。優れたメンター(指導者、助言者)がいれば別かもしれませんが、サークルレベルのプロジェクトでそこまで補佐出来る人は中々見つからないと思います。もし見つかったらその縁を大切にしたいものです。
連絡手段や頻度を明確にする
「突然音信不通になる人が多い」。これがオンラインプロジェクトで起こりがちなことです。企業が自宅で出来るような作業をするのにもどうして一箇所に人を集めて作業をさせるかといえば、連絡の緊密性を上げることに他なりません。スムーズに連絡できればスムーズな進行が期待できます。
しかし、オンラインのプロジェクトはその緊密性はあまり高くありませんから、「一つのことを決定するにもそれなりの時間がかかる」ということを覚悟しなければなりません。趣味で行うプロジェクトの場合は更にそれぞれの人の都合があります。
そのため、「どうやって連絡を取るか?」と「どれくらいの頻度で打ち合わせをするか?」ということは必ず事前に承諾を取ることを奨めます。そうでないと、遅々として進まないプロジェクトになってしまいます。また、連絡がとれなくなった場合の決定権や、制作物の扱いについても取り決めをしておいたほうが良いでしょう。
報酬を説明できる必要がある
各メンバーが何のためにプロジェクトに多大な時間を割いているのか?プロジェクトは彼らに何を報いることが出来るのか?
これらについてプロジェクトのリーダーは常に考えなければいけません。趣味、サークルの場合はたとえ金銭授受が発生しなくとも、メンバーにとって明確にプラスの経験になることがあれば報酬になると考えています。参加する人たちがそれぞれハッピーになる。これがない場合はモチベーションを保つことは難しいのではないでしょうか。
「レベル」ごとに計画を立てる
この場合のレベルというのは、プロジェクト発案者の求めるクォリティレベルと、メンバーへの要求のレベルです。どれくらいの作品ができたら満足か?という線引です。
全く初めてプロジェクトを起こす場合は、それこそ一つ何かが出来れば満足だと思います。しかし人間はやっているうちに「もうちょっとこうならないかな?」という欲が出てきます。それが達成できる場合もありますし、出来ない場合もあります。
しかしいずれの場合も「完成させる」ことが一番ですから、どこで妥協のラインを引くかが重要です。
- レベル1:自分一人で出来ること(完全なる個人ワーク)
- レベル2:集まったメンバーがそこまで努力しなくとも出来そうなこと
- レベル3:集まったメンバーに修正などのお願いをして、受け入れてもらえれば出来そうなこと
- レベル4:集まったメンバーに積極的に活動してもらい、自発的にクォリティを高めてもらってできること
例えばこんな感じでレベルを考えてみます。実現レベルが高くなるに従って、関係はシビアになってきます。メンバーに負荷をかけていくことになるからです。
それぞれのクリエイターは自分が最良だと思うものを提案してくれています。それにいわば「ダメ出し」するわけですから、これはほんとうに厳しいことです。それを乗り越えるだけの目的や魅力がプロジェクトにあれば残ってくれるでしょうし、そうでなければ辞めてしまうでしょう。
まとめ:若い人にこそどんどんやって欲しい
こういったプロジェクトの運営技術はすなわち、自分のイメージをどれだけ伝えられるかです。そして、人の心をどれだけ動かし、共感し、辛い時期を共に乗り越えられるかを示しています。コミュニケーションの能力は確実に磨かれます。社会に出て仕事をする際にも企画力やプロジェクトマネジメントの力は必ず役立ちます。
どう進めてよいかわからない場合は相談役として経験者に聞いてみるのも良いと思いますし、現在活動している人の下で活動して運営術を学んでくるのもいいかもしれませんね。
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