Miyabi Lucas

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自分の失敗から英語曲の作曲の注意点を考えてみた

   

mymultiverse

Ken bioloidさん(@durbrow)に作詞していただいた英語曲2曲目です。ニコニコ動画版はこちら

一部日本語化しようかなと思ったのですが色々敷居が高くて断念しました。

詞先で曲にする時のやりとり

以前のThe Maddening Distanceでもそうでしたが、今回も基本は詞先作曲です。ただ、上がってきた詞をそのままOKにしてしまうと作曲者は苦悩して死んでしまうので、色々と注文は出しながらやっています。1番だけつくり、それを元に膨らませていく前回の時のやり方を踏襲しました。

作詞をする方は何かしらのリファレンス(参考)曲が頭の中にあるのではないかと思っています。今回は僕の趣味で大分歌詞に注文を出してしまいましたが、詞先で作曲を依頼する場合には

・どういう雰囲気の曲にしたいのか(あれば参考曲)

・詞で譲れないポイント

・音楽知識の有無

これは必ず作曲者に伝えたほうがいいと思います。僕もご依頼を受けた時には大体この辺りから伺って、「どうやってイメージの共有をしていくか?」を考えます。例えば「作曲はしたことがないけど楽譜は読める」とか「歌える」とか、それだけでも意思疎通のチャンネルがぐぐっと広がりますので。

 

英語曲を作る時に気をつけたいポイント

さて本題です。今回はbioloidさんも巡音ルカV4Xを使い、歌のデータを渡して発音などを直してもらいました。

英詞が先にあるので後はエディタで打つだけ!と思っていたのですが、Vocaloidはそのまま英語を打っても適切な発音をしてくれないことがあります。

「The」の罠

The を入力すると「ザ」になります。しかし英語では次の単語が子音で始まる場合は「ジ」と発音しなければなりません。ところがVocaloid(エディタ)がそこがまで見てくれないので、これらは自分で直していく必要があります。ここに完成まで気づかなかった英語力の人は僕と一緒に英語の作詞を諦めましょう。。。

語の伸ばしていいところといけないところ

こればかりはネイティブに聴かないとなかなかわからないところです。例えば2つの音韻に別れる単語、”Azure”が今回の詞の中で出てきます。これは「アジュァ」という感じで発音するのですが、これを「アーージュァ」という風に歌わせるとネイティブは違和感を感じるそうです。単語を入力した結果、複数の音節に別れたからといって、それぞれを好きな長さに伸ばしていいわけではないのです。

早口になりすぎないようにする

ボカロの日本語曲でも早口の傾向がありますが、特に英語を歌わせる時に詰め込み過ぎると「伸ばさなければならない語の時間」を確保できない場合があります。結果として何を言ってるかわからねえぜ状態になってしまうのです。少し語を減らす、テンポを落とすなど、歌詞や楽曲の調整が必要になるでしょう。

 

まとめ:英語曲は英語ネイティブのチェックで捗る

ポップスで日本人にもわかりやすいワンフレーズを入れるだけならまだアレですが、フルで英語曲を作る時にはネイティブのチェックは必須だなと感じました。プロのR&Bの楽曲なども、クレジットを見ると歌詞は外国人が担当していたりします。

音楽やっている人なら一度は「英語曲作りてえなあ」と思うものですが、今や外国からもニコニコ動画は普通に聞けてしまう時代です。ということは、逆にそういった英語ネイティブと出会うきっかけはすぐそこにあるということです。もし英語曲を作るのに困っていたら、助けを求めたほうが早いかもしれません(僕の場合は幸運にもこのパターンでした)

僕はお世辞にも英語が得意な方ではありません。いつもWeblio片手にやりとりしています。その程度でも、熱意が伝われば相手は聴いてくれるものです。積極的にコミュニケーションを取ってみましょう。私達にとって英語は「Our second language」なのですから、堂々と間違えればよいのです。カッコつけて完璧に一言で説明しようとするよりも、簡単なワードで何回かやり取りしたほうが伝わります。

しかし発音のニュアンスなどについてはなかなか掴みづらいのは確かです。洋楽などを歌詞と一緒に聞くなどして耳を慣らしていくことも必要だなあと感じました。

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