ヒーリングミュージックのテンポについて
国民総お疲れの時代、ヒーリングミュージックが流行っています。僕も10年前に比べるとゆったりした音楽を聞くことが増えてきました。
今回はそんなヒーリングミュージックの「テンポ」に着目して、研究を元に考察していきたいと思います。
聴いている音楽のテンポによって体の機能は変わるのか?
千葉大学の研究で「生理機能とテンポとの同調に関する一考察」という興味深い考察がありました。
この研究結果の要約は以下のとおりです。
- 血圧、脈拍、呼吸数は個人差がある
- 脈拍数以下のテンポが心地いいと感じる人は多いが全てではない
- テンポが上がっても下がっても血圧と脈拍には関係ない
- 心地いいと感じるテンポでは呼吸数が減少する傾向にあるが、テンポの遅い早いに対して単純に呼吸数が比例することはない
この研究が正しいとすれば、音楽で「ドキドキする」というのはテンポ単体には関係ない部分にあることになりますね。
リラックスの作用としてのテンポは、多くの人は自分の脈拍と同じか、それよりも遅いテンポの音楽に心地よさを感じる、ということになります。ただし例外もあります。25人中2人は早めのBPMが心地よいと感じたと回答したことです。具体的な数値で言えば128BPMが最大値でした。ダンスミュージックくらいのテンポです。
このように「心地よいテンポ」は少なくとも10BPM~128BPMくらいの個人差は見られるため、テンポを設定して「これに合わせてください」という既成のヒーリングミュージックには効果の限界があると言えるでしょう。
つまり、ヒーリングミュージックのCDを買って「落ち着かないな」と感じることには何ら不思議はないのです。あなたが今回の被験者の2名の人に近いだけかもしれません。僕も以前はドラムンベースとかユーロビートでよく寝ていました。
自分が心地よい「マイ・テンポ」を求めて
上記の研究にもあるように、自分のテンポというものは心地よく感じ、またリラックスさせる効果があることがわかります。
この「マイ・テンポ」を見つけて、それに近い音楽を選ぶことが重要です。Web上でもテンポ測定サイトは色々あるので、自分でトントンしてちょうどいいテンポがどれくらいなのか調べてみましょう。
例えば深呼吸をしながら吐く時にで4回、吸う時で4回になるようにテンポを取ってみます。僕は大体これが45BPMくらいで心地よかったです。皆さんはいかがでしたか?
もし上記研究からたとえ大きく外れた値であっても、それはあなたが必要とするテンポなのです。どれくらいの早さが落ち着くのかは音楽の作者などの他人によって決められるものではないと思います。自分がどうしたら落ち着くことが出来るのかを自分で納得して決めることが、セルフコントロールの観点において最も大切なことです。
また、作曲をされる方はヒーリング系ジャンルにも是非挑戦してみていただきたいものです。ヒーリング曲は僕も勉強不足なので今後取り組んでいきたい分野のひとつです。
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