「もう払えない」ニコニコ動画はYouTubeの夢を見るか？

音楽を長年やってきた人が考えること。それは「自分の音楽ってどれくらいの価値があるんだろう？」ということではないでしょうか。

いつかはCDを売ってみたい・・・そんなふうに考えて、今日もせかせか、ニコニコ動画に動画をアップロード。

「まずはクリエイター奨励プログラムで黒字になるまで頑張ろう」なんて人ももしかしたらいるのかもしれません。

しかしみなさんご存じですか？音楽を紹介するだけのブログでさえ、チマチマながらも確実に現金収入を得ていることを。

あれ？音楽一生懸命作ってる側はお金払ってなおかつ1円も入らなくて、その動画をまとめたり紹介してるだけのブログにお金入ってるんですよ？おかしくね？

というわけで、ニコニコ動画での再生数がある程度行くのにいまだに音楽で1円も手に入ってない人には是非読んで欲しい。

今回は「ニコニコ動画」のクリエイター奨励プログラムやYouTubeの話をしたいとおもいます。

アップしても見返りのほぼないシステム

ニコニコ動画には「クリエイター奨励プログラム」っていうのがあるのはみなさんなんとなくご存知でしょう。再生やマイリスでポイントが付いて、その分現金で還元されるという噂のやつです。

これがね…ぶっちゃけまるでお金にならないんですよ。

いやもちろんね、それなりの再生数稼いでる人はおそらくお金になりますよ。それなりってどれくらいかって言うと、おそらく10万再生とかをコンスタントに達成するようなアカウントね。

もちろん再生数稼いだところでオリジナルコンテンツで著作権的にオールグリーンな奴しかクリ奨扱いになりませんから、カバー曲で稼いだりとか、ゲームやってみたとか、そういうのでお金になってるとは思えない。

さらに言えば、月に約500円払って、それ以上の稼ぎにならなければただのお客さんです。プレミアムアカウントじゃないと支払対象になりません。

というわけで、この辺をすべてクリアしている人がどれくらいいるのか？というと、おそらく全プレミアムアカウントの1割くらいじゃないかな？というのが僕の予想です。

ちなみに上の画像はプレミアム入れて9ヶ月のポイント。もちろん9ヶ月プレミアムで4500円以上払ってますから完全にアウト。

YouTubeならいつかは支払われる。いつかは。

対して「動画界の雄」、YouTubeさんはどうかっていうと、あちらは広告貼っておけばちびちびお金になるんですよね。

もちろんYouTubeも著作権的にはクリアしてないとダメなんだけど、雀の涙でもたまるのがYouTube。Googleのアドセンス収入としてきちんと積み重ねられ、いつかは現金として振り込まれます。

この点だけでも、利用しない期間もプレミアムを継続させないと支払いまで辿りつけない、一か八かのニコニコ動画のクリエイター奨励プログラム()と全く違いますよね。

まあ、自分は宣伝もあまりしてこなかったんでニコニコが2525くらいですけどね、これでプレミアム代差し引いたら1円にもなってないって驚くべきことですよ。

動画投稿者へのスタンスの違い

YouTubeは動画アップロード者をビジネスパートナーとして扱っている印象を受けるのに対し、ニコニコ動画は投稿者もあくまで「客」なんです。稼いだポイントは自社コンテンツになるべく使って欲しい。なるべく振り込みたくない。先述のように、月に500円払い続けた場合のみ振り込んであげる(ただしすぐにとは言っていない)みたいな感じ。

ただ音楽ジャンルによっては(特にボカロなんかは)ニコニコ動画のシェアが高いと思いますんで、金にはならないけど広告として、掴みとしてニコニコから入るのはありだと思います。

ただニコニコ脱出のストーリーを考えておきましょう。漫然とニコニコだけやってたらダタの客です。

そもそもニコニコ動画がオワコンの可能性

実はお金支払う余裕ないくらい、ニコ動ってそろそろヤバイのかなっていう。

こちらがニコニコ動画の検索ボリューム。2013年くらいまで頑張ったけど、もう完全右下下がり。よくある「数年先には終わるコンテンツ」の成長曲線です。もうこれじゃあユーザである投稿者にお金なんて支払ってる余裕は有るわけがなくて、もう囲い込みに入る時期です。

対して下はYouTubeです。安定してますよね。

ニコ動に金が無いのは「著作権料支払い」があるから？

ニコニコ動画ってJASRACとかの登録曲を自由に使っても良いように使用料をユーザの代わりにモリモリ払っているはずなので、その肩代わりをさせられているのが全然関係ないオリジナル曲や、オリジナルのイラストで動画とか作ってるプレミアムアカウントの人たちなんですね。

つまり、もう還元するお金とか無いんですよ。で、クリエイター奨励プログラム自体が一種の「客寄せ」であるということ。「頑張ればお金還元します！(ただし分配は完全にこちらの裁量で行う)」というやつです。もうこれじゃ楽曲の広告としてやるにしてもやってられないレベルじゃないかなあと。

YouTubeでもそんなに稼げない？

というわけで、YouTubeなら稼げる！みたいな話になるかとおもいきや、そうは問屋がおろさねえ。YouTubeも新規参入が止まらないので、一般作曲者が稼げるのはせいぜい「お小遣い程度」だと思ったほうがいいです。よほどのセンスと速筆でもないかぎり、オリジナル曲が万単位の再生を得ることは難しいでしょう。もちろん集客力は絶対必要。

さらに言えば、イマドキのTwitterなんかでウケている動画は30秒でそのまま見れる埋め込みなどです。Twitter集客をするならば、これに上手く絡めてプロモーションしていく必要があるでしょう。もうその場で聞けないものとかは見てもくれないのです。映像で掴むことも必要です。

ニコニコはログインしないと見るだけも見れないわけで、不正アクセス対策にちょっとめんどくさいパスワードにしたばっかりに最近はログインすらしなくなってしまいました。投稿者はともかくとして、見る側に手間を掛けるだけでクリック率が格段に下がるわけです。つまり、初見さんを呼びこむのにニコニコってもうありえないわけ。「えっ、アカウント持ってないんですか？」という強気でいられる時代じゃない。だって検索されてないんだから。

動画投稿者の人は焦ったほうがいい

いかがでしたでしょうか。だいぶ煽りましたけどこんな感じでグラフを見ると「ヤバイかも」って思うんじゃないでしょうか。ニコ動で続けるメリットがあるかどうかをよく考えてみてくださいね。全く無いとは言えません。ボカロには強いですからね。

というわけで次回は、「YouTubeで音楽やるならどういうジャンルがいいか？」というお話をしたいと思います。これを考えることで音楽の幅も広がるかもしれませんよ！